ウェブ人間論

ウェブ人間論 (新潮新書)

ウェブ人間論 (新潮新書)

遅ればせながら、読んでみた。

本屋では見かけていたのだが、「ウェブ人間論」というタイトルが怪しすぎて敬遠していた。「ウェブ進化論」がちょっと売れたからって、全然分野が違って、ちょっと話題になりそうな組み合わせで対談をしかけて、本のタイトルもそれっぽく付けただけなんじゃないかと思っていたのだが、意外と新しい発見があった。また、平野啓一郎氏が小説家というITからは程遠く感じられる立場でありながら、インターネットの描く未来像については時に梅田望夫氏よりも先鋭的な意見を述べていたのが、面白かった。

1975年生まれは、大学生だった20歳ごろにインターネットが普及し始めた世代であり、その上の世代とインターネットに関する考え方が違うという話が語られている。1983年生まれの僕は、インターネットは中学生くらいから何となく使っていたし、特にインターネットの便利さに衝撃を受けたとかいう体験はない。

ただ、僕の世代あたりはちょうど高校生のときに携帯電話が普及し始めた世代で、その前後での携帯電話の考え方は結構違うのではないかと思っている。高校1年生のときには携帯電話を持っている人の方が少数派だったと思うけど、高校3年生のときにはだいたいクラスで携帯電話を持っていなかったのは1割くらいしかいないような状況だったと思う。僕の故郷の地方都市よりは東京の方が早かったのかもしれないし、ちょっと前後するだろうが。

僕は、何となく携帯電話はメールと電話をするものというイメージがあって、携帯電話でインターネットをすることはあまりない。細かい機能はよく分からないし、未だに携帯電話を使いこなせている感じはしない。僕の世代は携帯電話をばりばり使いこなしている人と、適度に使っている人が半々くらいなのかなというイメージがある。

ただ、僕よりもっと若い人の携帯電話使いこなし具合はかなり高い。小学生くらいのときから携帯電話が身近にあったこの世代は、携帯電話の操作が身に染み付いているというか、体の一部のようになっていて、以前、塾講師で小中学生を教えていたときも、高機能な携帯電話をバリバリ使いこなしている小学生を見てびっくりしたものだった。

ということで、僕らくらい、もしくはもうちょっと下の世代で、何か革新的なものが今後期待できるのはモバイルの世界なのかなぁと思ったり。