戦力外通告

こんなニュースを見つけた。

讃岐うどんで新たな人生 阿南市出身・元巨人の條辺さん 徳島新聞社

僕はスポーツドキュメンタリーが好きだ。ニュースでは華やかな面が強調されているんだけど、なんだかテレビの中の人って感じで、いまいち親近感が沸かない。でも、スポーツドキュメンタリーでは隠れた苦悩とかが浮き彫りになっていて、この人も自分と同じ世界を生きている人なんだなって感じがする。

その中でも、毎年年末にTBSで放送されている「戦力外通告クビを宣告された男達」という番組は欠かさずに見ている。戦力外通告をされた選手たちが、トライアウトを受けたりするシーンを追っていて、必死に野球にしがみつく選手たちのリアルな姿に感動を覚える。

たしか、元巨人の條辺は一昨年のこの番組で取り上げられていた。第二の人生と言えば聞こえはいいが、きっと表現しようのない悔しさがあっただろう。小さいころから野球漬けで頑張ってきて、高校とかでは周りの選手に比べて天才級の実力を示して、夢だったプロに入りながらも5年程度で半分が入れ替わるという厳しい現実。自分が信じてきた世界を追われれば、もう生きる希望を失ってしまいそうなものなのに、なおも新しいことに挑戦する気持ちはすごい。

ちょっと前に、その番組に出演した数人をまとめたものが出版されたので思わず買ってしまった。その中でも、野村克則のエピソードに胸を打たれた。カツノリというと親の七光りというイメージが強いが、父の影と必死に戦ってきたという苦悩と、それでも腐らないひたむきさを感じた。

自分も少し気持ちが弱くなることがあるけど、こういう必死な姿を見ると、自分もまだまだだなって感じがする。これからも、凹むことも多いと思うけど、自分も自分の夢に必死にしがみついて生きていきたいと思う。

戦力外通告―プロ野球を「クビ」になった男たち

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